ケータイ小説の書き方(5)― キャラクター設定

登場人物の数は少なめに

通常の小説と異なり、ケータイ小説を書く場合には、特に注意すべき点があります。それは、対象となる読者層が関係します。

一般的な小説の場合、読者といってもその年齢層は実に広範囲にわたっています。一方、ケータイ小説の読者は、10代から20代という若年層に集中しています。

そして、そうしたケータイ小説の読者の大部分が、文学に馴染みの少ない、小説の初心者だと考えていいでしょう。ここを外してしまうと、いくら頑張って書いても、読んでもらえないことになります。

こうした前提を踏まえて、キャラクターの問題を考えてみると、登場人物の数は、ある程度抑える必要があります。プロのケータイ小説家である内藤みかさんは、登場人物は4人が基本で、多くても6人までにすべきだとアドバイスされています。

7人以上になってしまうと、小説に慣れていない読者だと、頭の中がこんがらがってしまうというわけです。当然、書き手のほうも難しくなってしまいます。

 

キャラクター設定

さらに、人気のあるケータイ小説では、読者の共感を得ることに成功しています。つまり、登場人物の考え方や行動に対して、読者に共感してもらえた、ということです。

したがって、キャラクター設定をするにあたり、突飛な個性をもった主人公をもってくるより、10代から20代の読者に近い性格設定をするほうが共感され易いといえます。

もちろん、涼宮ハルヒ流のぶっ飛んだキャラクター設定でも、いいことはいいのですが、ケータイ小説を書くのが初めてという方にはオススメできません。

最後に、他の登場人物の設定についても述べておきましょう。

これは、一般的な小説の場合でも同じですが、あらかじめ各登場人物ごとに、性格や家庭環境、生い立ちなどを細かく決めておくと、スムーズにストーリーを組み立てることができます。

作品の中で直接触れなくても、どんな性格か、両親はどんな人か、兄弟構成はどうか、どんな環境で育ってきたかなど、あらかじめ細かく設定しておいて下さい。どんどん、物語のイメージが膨らみます。

*参考文献:『ケータイ小説書こう』(内藤みか著)