携帯小説の概要(3)― ケータイ小説の読者

ケータイ小説の読者

ところで、ケータイ小説の読者というのは、どのような方々でしょうか?

やはり、10代から20代の女性がメインのようです。小学生にとっては、若干、わからない言葉や漢字が出てくるのですが、それでも、飛ばしたり、想像したりしながら懸命に読んでいます。

男女比で見ると、全体の約9割を女性が占めると言われています。一部、男性もいることはいるのですが、その数は少ないでしょう。男性では、高校生や大学生といった学生か、あるいは、ホストや美容師といった女性相手の仕事をしている方が多いようです。

何れにしても、ケータイ小説を読んでいる中心層は若い女性ということになります。というのも、大部分の書き手が若い女性であり、少女たちにとって理想的な恋愛がそこに描かれているからです。最近はホラー小説も人気ですが、やはり大部分のジャンルは恋愛モノになります。

 

ケータイ小説の醍醐味

しかしながら、そうした彼女たちも、一昔前の文学少女といった風情ではなく、単なる退屈しのぎに読んでいるという方が多いようです。

確かに、携帯電話やスマホさえあれば、場所も時間も関係なく読めるわけですから、文庫本すらも及ばない手軽さがあるわけです。確かに、細切れの時間を使って読書が出来るということは実に便利なことです。

さらに、ケータイ小説が通常の書籍と違うのは、読み手が著者その人に、作品を読んだ感想やその感動を直接伝えることができるという点です。こうした特徴こそ、ケータイ小説の醍醐味だと言えるでしょう。