携帯小説の概要(1)― ケータイ小説とは?

ケータイ小説とは?

ケータイ小説といえば、携帯電話の普及とともに2002年以降急激にその規模を拡大し、巨大な文化を形成しました。それから10年以上の歳月が経った現在も、中高校生を中心にケータイ小説文化が定着しています。

従来の小説家が書斎で執筆に専念するのに対し、ケータイ作家たちはいつでもどこでも携帯電話さえ持っていればその場で執筆しています。そして、そうした彼・彼女たちの大部分が素人作家なのです。

実は、小説界へのこうした素人作家の大量参入こそが、ケータイ小説文化の特徴と言えるでしょう。したがって、その内容に対して稚拙であるとか、誤字脱字が多いとかいった批判もありますが、それを跳ね飛ばすだけの臨場感や親近感が多くの若者たちの心をつかみ、一部の人気作家は一気にベストセラー作家への道へと駆け上がってゆくのです。

ところが面白いことに、そうして成功したケータイ作家たちであっても、みずからの文章に自信があるわけでもなく、必ずしもプロの小説家を目指しているわけでもないようです。とにかく、彼らは書くことに喜びを見出し、執筆を続けているのです。

 

ケータイ小説の特徴

そして、従来の小説であれば雑誌に掲載されても読者の声が返ってくるまでには時間もかかり、その声の数にしてもそれほど多くはありませんでした。

ところがケータイ小説では、作品をサイトに発表(アップロード)すると、即座に反響があり、しかも多数返ってくるのです。

こうした点がよい方向に働くか悪い方向に働くかは一概には言えませんが、ここにケータイ小説の臨場感が生まれる秘訣があると言えるでしょう。

携帯サイトには、無料で自らの作品を公開できる投稿サイトがいくつか存在します。そうしたHPを通して、多くの若者たちはケータイ小説を読み、感動し、やがては自らもケータイ小説にチャレンジするようになるのです。

自分もケータイ小説を書いてみたいと思われる方は、「ケータイ小説の書き方」や「ケータイ小説に関する文章術」を参考にしながら、チャレンジして頂ければと思います。

既に成熟期に入ったかに見えるケータイ小説ですが、まだまだデビューのチャンスはあるでしょう。意外とプロの小説家たちの参入も少ないようなので、是非チャレンジしてみてください。