執筆作業に大きな影響を及ぼすワープロソフト
ワープロ派の作家にとって、パソコンと共に執筆作業に大きな影響を及ぼすのがワープロソフトです。スムーズな文字変換や、使い易い縦書き機能等、その特徴の違いによって使い勝手が大きく異なりますので、作家にとってはこだわりたいところです。
ここでは、いくつかの代表的なワープロソフトをご紹介いたします。ご自身の執筆環境に適したソフトをお選びいただければ幸いです。
代表的なワープロソフト(PR)
一太郎
一太郎は日本語を極めたワープロソフトですので、日本語で執筆するのであれば最適のソフトであると言ってもいいでしょう。その一太郎の最新バージョンが「一太郎2022」となります。
「一太郎2022」では、オンライン作業に関係する機能が大幅に更新されました。「オンラインでの画面共有に適した文書を作りたい」「画面共有したときの情報漏洩を防ぎたい」といった要望を受け、スライド用スタイルが新たに登場しています。オンライン画面共有時には、大きなサイズのポインターやレーザーポインターを切り替えて使うことも可能になっています。
さらに、会議での発表やオンラインでの画面共有時に、見せたくない情報をしっかりガードしてくれる「プロテクトモード」が追加され、推測候補[自動表示]/ファイル履歴/検索履歴/コピー履歴/文書情報/添削情報/付箋・注釈マークの表示を抑制することができるようになっています。
他に、公共の場所での執筆やテレワーク中などに、カーソルのある行だけを通常表示し、それ以外の行を半透明表示にする「プライバシーモード」も用意されています。
テンプレート関連では、1枚のA4用紙に両面印刷して3つに折るとできあがる、リーフレット用のテンプレートが30点追加されています。
ATOK関連でも大きな変更点がありました。これまでは「ATOK for 一太郎」が搭載されていましたが、今回は「ATOK Passportプレミアム(1年)」が標準で搭載されています。これによって、常に最新のことばを使えるだけでなく、搭載された6つの電子辞典を使って即座に検索できるようになっています。
これまで、ワードしか使ったことがない方は、是非、一度お試し下さい。作家向けの高機能なワープロソフトになっています。
※対応OS:Windows 8.1/10/11
Microsoft Office Word
Wordと言えば、ビジネス界ではワープロソフトの代名詞とも呼べるほどになっています。このソフトは、もともと英語での入力を前提に開発された商品なんですが、日本語での執筆という観点からみても、なかなか充実しています。
特に、マイクロソフトの強みとでも言えますが、ネットを有効利用した機能が充実しています。例えば、OneDrive といったクラウドにファイルを保存することで、文書を共有しながら操作することも簡単にできます。また、オンライン画像やオンラインビデオを直接文書内に保存できるため、別途、コンピュータに保存する必要がありません。
Wordであれば、互換ソフトを含め大抵のパソコンに対応ソフトがインストールされているので、原稿データを他のパソコンに送っても問題となることはほとんどないでしょう。他のマイナーソフトであれば、原稿を送ったものの、相手先のパソコンでは開けない、といった問題が発生することがしばしばあります。
ただ、小説のような長文を書く際には、使い勝手が良いとは言えないかもしれません。これはWordに限ったことではありませんが、こうした一般的なワープロソフトでは、文字データと共に文字修飾データ等の周辺データも一緒に保存するので、文書データの容量が大きくなってしまうのです。
そのため、ソフトの起動時やメールでのデータのやり取り、執筆に際しての動作が重たくなってしまい、ストレスを感じることがよくあります。そうした時は、エディタを利用する方が良いかもしれません。
もちろん、外観にこだわった美しい文書やチラシを作成したいのであれば、Wordは極めて優秀なソフトであることは言うまでもありません。
※対応OS:Windows 10/11、Mac OS Big Sur 11/Monterey 12/Catalina 10.15、iOS、Android(商品により対応OSは異なります)
Kingsoft WPS Office
こちらは一見、「Microsoft Officeのコピー商品か?」と思わせるようなソフトです。Kingsoft WPS Office には、ワープロソフトとして、WPS Writerが同梱されています。他に、表計算ソフトやプレゼンテーションソフトも含まれています。
当然のごとく、ワードとの互換性も抜群で、PDFへの出力も簡単に出来ます。もちろん、縦書きにも対応しています。その上、価格はMicrosoft Officeの約7分の1といいますから、何ともお得なソフトです。
要するに、Microsoft Officeの普段あまり使わない機能を端折って、その分廉価に仕上げたというソフトです。
例えば、ワードで作業していて通常使う表示画面と言えば、作業ウィンドウと印刷レイアウトぐらいでしょう。WPS Writerでは、この二つに絞って、それ以外の下書きレイアウトやWEBレイアウト、閲覧レイアウトなどは備えていません。高度な編集や機能は使わないので、安く購入したいという方にとっては、もってこいのソフトでしょう。
公式サイトでは、30日間無料で使えるダウンロードサービスも用意されているので、一度試してみて、気に入ればそのまま使えばいいでしょう。
※対応OS:Windows 10/8.1, macOS Catalina 10.15/10.12以上(商品により対応OSは異なります)
Thinkfree office NEO
Thinkfree office NEOは、ソースネクストが販売している、Microsoft Officeとの互換性をもたせたオフィスソフトです。Microsoft Office のファイル形式に対応しています。一方で、価格がMicrosoft Officeと比べてかなりお得なソフトです。
ワープロソフト「Word」を始め、表計算ソフト「Cell」、プレゼンテーションソフト「Show」が搭載されています。また、1クリックでPDFファイルを作成できる機能もあります。
さらに、無料オンラインサービス「Hancom Space」と連携しており、webブラウザでファイルの閲覧や編集ができます。
※対応OS:Windows 11/10/8.1
OpenOffice.org 派生版
OpenOffice.orgという無料ソフトはご存知でしょうか? これは、高価なMicrosoft Officeに対抗して開発された無料の総合ソフトです。しかし、このソフトそのものの開発は終了しています。
一方、このソフトの派生版がいくつか開発されています。例えば、現在もバージョンアップが続いている「LibreOffice」、そのポータブル版「LibreOffice Portable」、OpenOffice.orgの資源をそのまま受け継いだ「Apache OpenOffice」、操作性などMac用ソフトと似るように工夫されている「NeoOffice」などがあります。